この本を読んでいて、目頭が熱くなったのです。
時計作りを夢見るジョニーの健気さだけではなく、周りの状況に。
子どもの希望、能力を理解しない親。
この姿が子どもの可能性をつぶしていくのでしょう。
子どもを理解しない教師。
教師の配慮のない言葉で、ジョニーは周りからいじめに会うことになります。
そして、この姿が現実なのです。
この絵本を読んで、自分を省みない親、教師がいるとしたら失格だと思います。
そんな思いで、少し過剰反応してしまいました。
親に邪魔されても、理解されなくても時計作りをやり遂げたジョニーは立派です。
でもこの本は、親に反対されても周りに邪魔されてもやりぬくことといった解釈で子どもに伝えるとしたら欺瞞です。
ジョニーだから出来たのです。
ジョニーにしてもスザンナという理解者がいなければつぶれていたでしょう。
自分たちは子どもを理解する側にしっかり立たなければいけないと思いました。
この本はアーディゾーニが孫のスザンナのために書いた絵本だそうです。
彼はスザンナにこのように育ってほしかったのでしょう。
この本は子どものための絵本です。
子どもたちにはジョニーやスザンナの素晴らしさとともに、理解のない親や心ない先生への批判も伝えましょう。
そして、自分の両親や先生はこんなじゃないと言ってもらえたら、それは素晴らしいことです。