あなたの家族のことを書いて下さい。
題は「わが家の夜のすごし方」。
何気ない作文が恐ろしい罠だと思ったとき、この話の怖さの大きさを感じました。
チリの軍事独裁政権。
反対する人たちは反政府であることだけで、軍に捕えられていきます。
政府に反対しながら、身を小さくして生活している人々。
そんな時に、学校に現れたロモ大尉。
名誉と賞品をちらつかせながら、書かせたのが作文でした。
子どもは大人を良く見ています。
子どもからみた親がどんな人間か。
作文に描かれたとき、本人たちの意図とは別にいろいろなものが見えてきます。
この話の展開に、私は緊張しました。
そして、最後に書かれたペドロの作文。
ペドロの知恵と、親たちの苦悩を理解していたことに感激しました。
ペドロは親を見ていたのです。
作文の内容を書いてしまうと、反則のような気がします。
お父さんお母さんにお薦めです。