かこさとしさんの代表作のひとつである『からすのパンやさん』が刊行されたのが1973年ですから、最初の読者もすでに50歳近くになっているでしょうか。
それから40年経って、2013年にからすの子どもたちが大きくなった絵本が4冊誕生しました。
これはそのうちの1冊、上の娘だったリンゴさんのお話です。
リンゴさんには仲のいいイソちゃんがいました。イソちゃんには働きものの「いとこ」のシンちゃんがいます。もちろん、みんな、からすです。
シンちゃんがサヤおばさんと始めたのが「やおやさん」。
実はこの絵本では経済の、それもマーケティングの勉強ができるようになっています。
どういうことかというと、どのように売ったら商品がよく売れるか、リンゴさんたちが一生懸命考えるのです。
時には二ついくらっていう商売をしたり、ある時にはくだものに絵を描いたりして、お客さん(もちろん、からすです)の興味を引くようにします。
『からすのパンやさん』と同じく、この絵本でも登場するからすたち一羽一羽がちがいます。
そんなからすたちを楽しむのもいいですし、この絵本でいえば、もしあなた(読者)はこのやおやさんの店主だったら、どんな風な売り方をするか考えるのも楽しいのではないでしょうか。
最後にはりんごさんとシンちゃんは結婚をして「森林野菜の店」を始めます。
もしかしたら、この二羽にも子どもが出来て、もっともっと賑やかな、からすの森になれば楽しいでしょうね。