2004年のイギリスの作品。
物語は、ルイスが転校してきたシーンから始まります。
ルイスは主人公の私の隣に座り、物語は、私の視線で語られていきます。
ルイスは一寸変わっていて、授業中は、壁をずっと見ているし、話しかけても同じ言葉を繰り返すだけ。
絵を描いても、何を描いているのか分からない。
休み時間にみんながサッカーしている時、ルイスはルールお構いなしに走り回っているだけなのです。
ある日、サムが新しいサッカーボールをみんなに見せびらかしていた時、ルイスに「ルイスも サッカー やる?」って聞いてから大きく物語は展開します。
ルイスは最初、ボールを止められなかったけど、だんだんとボールに足があたるようになってくるのです。
その時、サムは、「うまいぞ ルイス!」って叫ぶのですが、ルイスを受け入れようとするサムの心情に、心から感銘しました。
その日の午後、ルイスは絵をずっと描いていますが、私には、サッカーの絵に見えると言ったら、先生が専門家に見てもらいましょうと言うのです。
その専門家とは、サム。
サムは、休み時間にやったサッカーの絵だと言い、先生に「ルイスとサッカーの練習、してもいい?」と聞きます。
私は、授業中に外で遊んじゃいけないといつも言う先生が、認めたことに理解出来ないのですが、外で楽しくサッカーの練習をするルイスとサムを見て、今の瞬間は特別な時間だから規則は破っても構わないと知るのです。
ルイスを仲間として受け入れようとする周りの人の気持ちに、とても共感できました。
子供って、大人が思うよりもっと純粋に人と接することが出来る存在なのかも知れませんね。
そして、先生の指導は、特別対応するということでなく、個性を受けとめ自然に振舞うということで、素晴らしい行為だと思いました。
ただ、日本では中々難しいことかも知れません。
あとがきに、ルイスは自閉症であり、その症状とかについてのコメントがありましたが、これは不要な気がしました。
あくまでも、この絵本の内容を読み、読み聞かせて、感じればそれで良い、そんな絵本だと思います。