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全身を覆う黒マントに、目深にかぶった黒い帽子の三人組。 見えているのはギョロリと辺りを伺うような目玉だけ。 おまけに抱えているのはまっ赤なおおまさかり!
この三人、どう見ても悪いことを企んでいる様子。 なんとも不穏な表紙のデザインです。 だけど……。
正直、かっこいい。 そして、タイトルが「すてきな三にんぐみ」となっている。 どういうことなのでしょう。
ここまできたら興味津々。子どもたちだって、思わず手を出してしまいます。 (もちろん、怖がりの子だっていますよね。そこは無理せずに) そしてお話は、期待通り(!?)の不気味さではじまります。 三人組の正体は恐ろしい泥棒たちなのです。
夜になると、3つの武器「ラッパじゅう」「こしょう・ふきつけ」「おおまさかり」を構え、お金持ちの馬車を襲い、宝を奪いとっていきます。出会ったご婦人は気を失い、犬なんか一目散に逃げていく怖さ。そして、隠れ家で貯め込んだ金銀宝石を眺める日々を送っているのです。
ところがある日、転機が訪れます。 三人組が出会ったのは、みなしごの少女ティファニーちゃん。 彼女は隠れ家にある宝の山を見て聞くのです。 「まぁぁ、これどうするの?」 三人は困って相談をはじめます。 だって……どうするのか考えたこともなかったのですから!
そこからの展開は、絵本を読んでのお楽しみ。タイトルの意味することも、よーくわかります。アメリカで発売され、日本でも1969年初版以来ずっと読まれ続けているこの絵本は、トミー・アンゲラーの代表傑作のひとつ。
これはいい話なの? 悪い話なの? 物語に振りまわされながらも、子どもたちはすっかり夢中です。 いったいどんな場面が記憶に残っていくのでしょうね。 そんなことも含めて味わいたい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
宝集めに夢中だった三人組の大盗賊が、ひょんなことから全国の孤児を集め、お城をプレゼント。
絵本の題名と表紙の絵がどうにも合わない気がして
ずっと気になっていた本でした。
黒マントに黒帽子の3人組の泥棒は特に目的もなく宝集めをしていて、ある日ひとりの女の子をさらってきてから一変するのですが…
その女の子をさらってきた時の泥棒の絵がとってもやさしくて印象的です。
表紙とはうらはらにラストはほんわかする内容でした。
読み終えた後、息子が「この人たちは“わるいい人”だね」と言いました。人のものを盗むのは悪い人だけど、かわいそうな子どもを助けたからいい人。あわせて“わるいい人”なのだとか。 (おすくりさん 30代・ママ 男の子7歳)
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