幼い時に海に潜ったまま命を絶った太一の父。
太一が一人前の漁師になったとき
父の死の原因であったであろう巨大なクエに出くわします。
書いてはありませんが
父の敵(かたき)と思う心があったのだと感じられますが
太一は クエを仕留めることをしなかったのです。
きっと 魚をこんな気持ちで獲るのは間違っている
…太一の心の中に そんな気付きがあったのだと想像しました。
海を自在に泳ぎまわる魚たちも
その魚を獲ることで暮らしを立てている漁師たちも
海に生き 海に生かされている同じ命なのだと感じられるお話でした。
絵は 伊勢英子さん。
ありのままに描かれたという印象の
いろんな表情の海の絵にとても心ひかれました。