最近出会ったこの本が書かれた1972年、私は思春期まっさかり。高度経済成長やオイルショック、公害など、耳にしなかったわけではないし、何らかの問題意識も持っていたはずだとは思うのですが、一体今まで何をしてきたのかと改めてがっかりしています。人間という生き物は、長きに渡って何を学んできているのでしょうか?学校へ行って勉強して「賢い」消費者にさせられ、ゴミを吐き出すだけの愚かな浪費家になる道を辿ってきてしまったのではないでしょうか?
この絵本で語られる動物の嘆きと反撃、そしてゴミの山。「香水」を振りまいて解決しようとしたり、「埋め立て」で処理しようとしたり、その場しのぎでとんでもない結果を招いているこの寓話が現実のものとなるのはあっというまの近未来です。
果たして諦めの世代になっている自分が、どこまでできるのか・・・
これからの子供達がこれを読んで、「ゴミを出さない生活をしよう」という単純なことに気が付き、愚かだった私達を越えていってくれると信じたいですが、便利があたりまえの世の中で後戻りできるのかという不安があります。
逆に、不便が「後戻り」ではなく「新しい」と感じておもしろがってくれることを期待するしかありません。