題名も中身もシュールな作品。固定観念を打ち壊し、新しい世界を広げてくれる破壊力のある作品だった。
なぜ友達を食べたのか、どういう友達だったのかは一切かかれていない。後先考えずに食べたらしい。この短絡的で、突発的な出来事は、自分の人生の中でも起きると思わせる何かがあった。この絵本は読んだ時も驚くが、読み終わってしばらくしてから、また思い出して、不気味な気分になる。今まで、大事なことを簡単にダメにしてきたのではないか、かけがえのない何かを勝手な都合で喪ったのではないか、そして、そういうことが未来にも起きるのではないか…などと考えてしまう。やましい事のある大人は、そう思うかもしれない。
子どもにとっては、単にびっくり絵本で面白いかもしれない。物を考え込むタイプには、いろんなテーマを与えてくれると思う。「友達」って何だろうか?少なくとも、お腹がすいた時に簡単に利用できるおやつではないはず。深読みすればするほど、怖い絵本。人は大事にしようと、心底思えます。