アナグマのおばあさんと子猫のルルのとても心温まるお話でした。
二人で山登りをする、そんな何気ない日常を描いただけなのに、どうしてこんなにも心に染みわたるのでしょう。
アナグマおばあさんはとても優しく、何でも知っていて、ルルに色んなことを教えてくれました。本当に素敵なおばあさんですね。
たとえ一人で暮らしていても、山には沢山のお友だちがいます。
みんなアナグマおばあさんが大好きなのです。
やがておばあさんは動けなくなり、ルルは一人で山登りをします。
寂しそうに見えましたが、見たことのない道を発見したり、新しい友だちに出会えたり、アナグマおばあさんへのおみやげを見つけたりと、楽しいことも増えました。
読みながら、ゆったりと穏やかな時間が流れていくのを感じました。
人生、色々なことがあるけれど、生き急ぐことはない。ゆっくり堅実に一日一日大切に生きていきたい、と思いました。
挿絵も優しい色遣いと癒されるタッチで、読み終えてとても心が温かくなりました。