町の風景を描かせるときめ細かく精密画を描く西村さん。
原爆の落ちた絵本の歴史を細かく描写しています。
「はらっぱ」で東京の街並みの移り変わりの描写で歴史を教えてくれたのですが、この本は広島の街並みの変化と8月6日の経過的な描写、その後を描くことで、原爆の怖さと復興を教えてくれました。
さらにこの本は、ただ町並みの描写だけではなく、原爆に係る資料についても非常に重厚です。
息子が夏の宿題に原爆についての調べ学習をしていたので、思い切って資料部分を飛ばし、「はらっぱ」と同じ感覚で読み聞かせしてみました。
息子は絵本を見ながら、原爆の悲惨さだけでなく、自分の調べた事が気になります。
読み聞かせ後、資料部分をチェックする子どもと一緒に、原爆について知識を高めることになりました。
ご自身が被爆者でもある那須さんの原爆に多角的で冷静な分析と解説、広島の街並みをできるだけ正確に描写しようとする西村さんの見事な共著です。
この絵本は、ひと工夫するととても良い読み聞かせ絵本であり、非常に質の高い教材だと思います。