子ども頃に読んだ本の中で、最も心に残る絵本の1冊、と言える「ちびくろさんぼ」のお話。私が読んだものは、多分、フランク・ドビアスの絵だったように思いますが、図書館で見つけたこの本は、アフリカの民族衣装のように美しくカラフルな表紙で、その絵の魅力にひきつけられました。その絵が、日本人によって描かれたものだとわかり、びっくりしたのですが、さらに、それが「だいちゃんとうみ」(なつかしい日本の風景を描いた作品)などの絵本で有名な太田大八さんの絵だと知って、2度驚きました!
お話も、始まりと終わりは、お父さんとお母さんの愛情いっぱいに育てられているサンボの日常が伺われ、前半は、「三びきのやぎのがらがらどん」のように、子どもが手に汗握るスリルとテンポで盛り上がっていき、そして、誰もが覚えているトラがバターになる場面へとつながっていきます。最後の、サンボがホットケーキを169枚食べる場面・・・高く積み上げられたホットケーキの山を見て、娘は、「マンボさん(おかあさん)にも半分あげればいいよね。」と言ったのが、かわいく思えました。