青山邦彦さんは、早稲田の理工学部建築学科、同大学院過程を終了後、建築設計事務所を経て絵本作家になったという経歴の持ち主。
精緻な絵は一見の価値あるものなのですが、ワンパターンで一寸食傷気味の感がありました。
今回の作品なのですが、こうきたかという感じです。
一本取られたというところまではいきませんが、いつもの家を作るというメインストーリーに、天狗を始めとした妖怪を登場させているのが新鮮です。
その妖怪達が、決しておどろおどろしいものではなく、少しコケティシュに描いているのが青山さんらしいところ。
途中縦開きにして絵を見させる仕組みもあって、中々の出来だと思います。
ただ、木の高さを見せるなら、もっと横長の絵本にして高さを見せるぐらいの遊びがあっても良かった気がします。
隠れ家という設定も、子供にとってはたまらないものなので、企画が良かったということでしょう。
表表紙と裏表紙に、妖怪達の名前の紹介もあって、これも楽しめます。
是非オススメしたい一冊です。