バーバパパはたくさんシリーズがあるんですね。
カラフルで愉快な彼らなのに、
中にはかなりシニカルな内容のものもあり、びっくり。
この「はこぶね」はその最たるものです。
人間のせいで動物たちは住むところがなくなり、
バーバパパたちは彼らに安心して住める避難所を作ります。
やがてそこも住むには苦しくなり、
はこぶねを作って、宇宙へ避難する、という内容です。
バーバパパたちはいつだって弱いものの味方です。
人間が全面的に悪である本作は
自分も、悪事に加担している一員なのではないか?と感じ、
ゾワゾワと落ち着きませんでした。
心を入れ替えた人間が地球に緑を戻したのをみて
はこぶねは帰ってきます。救いのある結末です。
もはや神のつかいのようなバーバパパ、
彼らの脱出劇には戒めを強く感じます。
実際に動物たちは減少し、自然も工業に汚されていて。
バーバパパたちが今、地球をどう見ているか、
問うてしまう絵本です。