短めのお話ですが、ストレートに伝わってくるお話と絵。
黒人の女の子と白人の女の子の住む家の間には柵があって、その向こうには入ってはいけないと親から言われているのです。
白人の女の子は、こちら側で遊んでいるなわとびに入れてもらいたいのですが、入れてあげるわけにはいきません。
この柵は大人が作ったもので、子どもにとってはとても大きな柵です。
黒人の女の子は白人の女の子が気になってなりません。
二人は名前を知りました。
「柵に腰掛けてはいけないとは言われていない」と同じ柵に腰掛け話をするようになります。
そして、柵を越えて遊ぶようになるのです。
遊び疲れたみんなは一緒に柵に腰掛けます。
みんなの表情は、柵に対する疑問に包まれているようです。
後は読み手に任されているようです。
「きっと誰かが柵を取り壊すよね」
それは誰なのでしょうか。
大人の作った差別。
子どもたちの感覚で互いを見つめること。
多くを語らず、子どもと共有したい空間がありました。