作者、浜田ひろすけさんは、すずめの鳴き声さえも聞き分けたという、繊細で誠実な人柄から、あふれ出てくるような言葉の美しさが、読者の心を捉えて離しません
この「泣いた赤おに」はなかでも傑作で、青おにの友を思いやる気持ちや、村人とのお茶会の様子など、文中のセリフも歌うような語り口で、優しい言葉となって届いてきます
ですから赤おにと同じ心情になってしまい、どうしても青おにの手紙は涙をこらえ切れなくなってしまうのです
同題名の絵本はほかにもありますが、一部省略、再話等手を加えず、原作全文を掲載していて、絵にも間合いと余韻が程よく感じられる、この絵本がお勧めだと思います