さあちゃんの庭に、いっぱいぶどうがなりました。
さあちゃんは、そのぶどうを食べるのが、楽しみで楽しみで...
でもね、もう少し大きくなってから。もう少し紫色になってから。もう少し甘くなってから。
ママの言いつけをまもって、来る日も来る日も、待ち続けるのです。
季節がかわり、ページをめくるごとに、どんどんぶどうが成長していく様子がとても楽しいです。
でもね、結局、さあちゃんのぶどうは、ちょっとだけしか残らなかった。
なぜなら、食べごろになったぶどうを待っていたのは、さあちゃんだけではなかったからです。
そうですね。明日収穫しようと思ったその日に、動物たちに畑の野菜を食べられてしまった、という話はよく聞きます。
動物たちも、やっぱり、このぶどうを楽しみにしていたんですね。
でも、また来年、そう思えるさあちゃんはえらい。
そして、動物たちにも、やっぱりわけてあげようと思えるさあちゃんが、とてもかわいらしいですね。