実はこの本の紙芝居(?)を、以前ポンキッ●ーズでブラザートムさんが突然公園に
自転車に乗せて現れる、というスタイルでしていたのをTVで見たのです。さすがミュージシャン、
「ブーバ トリロリ♪」というフレーズにピッタリの曲がつけられていて、口ずさみながら読み進められるので、
ストーリーが余計心に沁みました。その自転車のトムさんの周りで聞いている子どもたちも、
途中から紙芝居を引くのを手伝ったりして、ああこんな風景があちこちの公園で見られるといいのに!と思ったことでした。
リンドグレーン賞を受賞され今や話題の荒井良二さんですが、寡作ながらいつもいつも、
子ども心のままに描かれた絵とともに、すーっと心に入りこむお話を書いている作家です。
少年少女の出会いが詩のようにシンプルな言葉で表現されますが、絵はまるで夢のなかのようにあたたかく、子どもの視線にも優しく応えるタッチで描かれます。
最後の言葉がまた、いいんだなあ。