TV番組に引かれふと手にしたバイオリン。始めは上手に弾けないけれど練習を重ねるうちに次第に上手になっていくもぐらくん。そんな音色に森じゅうの動物が耳を傾け、ついには大国の兵士さえも争いを止めて聞き入ってしまうという温かなストーリーです。
世界に平和をもたらしたもぐらくん。ところが「皆に安らぎを与えられたらなぁ〜まさかそんなことが出来るわけないよなぁ」と本人は穴の中で全く気付いていない所がどこか切ないですね。
初めて弾けなくてギシギシ鳴らす鈍い音に鳥が嫌がって飛んでいくのまでは分かるのですが、育とうとしていた若葉まで嫌そうにしおれていくユーモアが面白い。
長い時間の流れを一本の木が葉を付け、幹が太くなり、やがて枝を広げて大樹に育っていくさまに置き換えて表現してある描写にも惹かれました。心温まる映画を見ているようで心地良い作品です。