山の村に住んでいるヤギ飼いの少年、マウルスは、従妹のマドライナに会いに都会に出かけます。高い山を越え、崩れそうな崖の道を歩き、目印の旗を立てながら雪原を越えて……。厳しい自然、道中にもかかわらず、わくわくする少年の気持ちが伝わってきます。しばし都会の生活を楽しんだ後は、今度はおじさんとマドライナの3人で村へ。またまた厳しい道中なのですが、マウルスの家族に会うためならへっちゃらという感じです。のどかというか、家族への愛情が深いというか、なかなか現代にはないことだと思います。字は多い本ですが、我が家の4歳と5歳は熱心に聞いていました。物語自体が単純なせいもあるし、大きな絵が明るく、繊細で、すばらしいせいだと思います。文章は絵に付属する説明と言ってもいいぐらいです。