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見事にマドレーヌは甦った!
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投稿日:2013/03/18 |
ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ の手によるマドレーヌシリーズ作品第一作目。
(第二作目が「マドレーヌホワイトハウスへいく」でしょうか?)
お見事!と思わず言いたくなる完成度です。
祖父ルドウイッヒのシリーズ作品でお馴染みの名所を紹介するスタイルを踏襲し、さらに簡略な地図を加えるなど新しい試みも違和感なく添えられています。
なんといってもマドレーヌのアップがとても魅力的に描かれています。
お孫さんの手で、見事にマドレーヌは甦った!という感があります。
さて、お話の舞台は、ローマ。
パリの空は、くる日もくる日も暗くしずんだ空。
そこで、ミス・クラベルと12人の女の子たちは、お日様に誘われ南のローマへやってきました。そこは、もう春です。
遠足というのには、ちょっと遠出。ん〜、修学旅行のような感じかしら?
でも、いいですねぇ〜、ちょっとローマまでっていう気軽さと、ゴージャスな旅行。
サン・ピエトロ広場・スペイン広場・トリトーネの噴水・システイーナ礼拝堂・フォロロマーノ・トレビの泉と、出てくる出てくる名所旧跡。
ローマ観光一日目の終わりに、記念写真撮影のためのミス・クラベルのカメラが、ちいさな泥棒さん(カタリーナ)に奪われて、・・・。
愛犬ジュヌヴィエーヴと追跡するマドレーヌでしたが、見失います。
が、途中で出会った野良猫に導かれるようにたどり着いたのは、一軒の空き家。中に入ると、・・・。
エンデイグもまた、このシリーズ作品らしい終わり方。
おはなしの筋も読みごたえありで満足満足。
江国香織先生の訳が、瀬田貞二先生同様上品で楽しい言い回しです。
3・4歳頃のお子さんから楽しめるのではないでしょうか。
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美しい情景描写と愛らしい絵
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投稿日:2013/03/18 |
1934年(昭和9年)から作家活動を始めたルドウィッヒ・ベーメルマンスの処女作です(童話)。【日本では1953(昭和28)年初版】
彼はオーストリア西部に位置するチロル(アルプス山脈の東部)の出身です。
お話の舞台が、チロル州の北部にある州都インスブルックから登山鉄道で上って行く山です。
原題は『Hannsi(ハンシ)』主人公の少年の名前です。
インスブルックに住むハンシは、クリスマス休暇に登山鉄道に乗って山の監視人をしているおじさんの家へ一人で行き、おじさん一家とクリスマスを過ごすことになります。
初めての一人旅の心細さや、山を登って行く車窓からの風景描写が、見事です。
スイスの作家ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女(ハイジ)』の少年版を読んでいるようでした。
おじさんの家に着いて、初めて体験する事にハンシがドキドキワクワクしている様子が伝わってきます。
従姉妹のリーザールと二人で、飼い犬ワルドルにスキーをはかせ滑らせるシーンには笑ってしまいました。
監視人のおじさんが、森の鹿にえさ(干草)やりをするのについて行った様子も読んでいて興味を持ちました。
そして、なんといってもクリスマス・イブの夜。
可愛らしい三人の王(博士)の各戸の訪問。
夜中の礼拝のため教会に出かける人々が提げているカンテラの光が、列になり光っている様子。
山の教会の窓が谷間の青い夜の中に、ぽうっと光る様子。
どれもこれも、私にとって経験のないことばかりが、美しい文章でつづられています。
クリスマスの近づく季節に、お子さんと一緒に何日かかけてゆっくり読んで見てはいかがでしょうか。
そうそう、雪の降らない地方の方にとっても、雪山でのクリスマスを間接体験できる素敵な一冊になると思います。
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さんにはうれしい再会作品
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投稿日:2013/03/18 |
マドレーヌが大好きなお子さんなら飛びつくことでしょう。
ルドウイッヒ・ベーメルマンスのお孫さんの作品です。
マドレーヌの元気で優しいキャラクターを損なうことなく、ルドウイッヒのマドレーヌシリーズ作品を楽しんだお子さんにはうれしい再会作品になると思います。
朝起きてから、夜お休みまでのマドレーヌの一日の中で、マドレーヌが触れ合う動物たちとの様子が描かれています。
私が好きなのは、動物園でトラにマドレーヌが挨拶するシーンに笑っちゃいますね。
ボードブックタイプなので、頑丈でお出かけにも最適なサイズです。
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巻末の花の紹介一覧に ベーメルマンスらしさが・・・
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投稿日:2013/03/18 |
ルドウィッヒ・ベーメルマンスは、ことのほかクリスマスが大好きな方だったそうです。
タイトルを見て、クリスマスのお話かなと思い開きました。
こちらの作品は1953(昭和28)年に書かれたものです。
日本では2007年初版というから、手に取れてなんともありがたいですね。
お話は、深い深い緑の森のその外れに、切り立った崖を見下ろすようにたっている一本のたいそう古いもみの木。
このもみの木の生まれた場所が場所だけに、人間に切り倒されることはありませんでした。
しかし、ここで生きていくということは、厳しい自然と闘わなくてはなりませんでした。
他のもみの木とは異なり、捻じ曲がり体を捩じらせ、崖の淵を這うように大きくなったもみの木のそばにシカが棲み付きました。
シカは、もみの木のそばに生えるパセリが大好きで、ほかのシカたちにも教えてやり、仲間から「パセリ」と呼ばれるようになります。
この後も年老いたもみの木とシカの「パセリ」は友情を深めていきます。
が、ある日買ったばかりのよく見える双眼鏡で、一人の猟師がシカを見つけ、・・・。
ちょっとクスリとしてしまうエンデイングに、心があったかになりました。
そして、巻末の“この ほんに でてくる はなの なまえです”のページ数のついた一覧に、ベーメルマンスらしいなぁ〜って感動してしまいました。
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小さな指で確認するお子さんも多いことでしょう
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投稿日:2013/03/17 |
「マドレーヌといたずらっこ」のペピートが再登場。
前作より随分落ち着いたよい子になったよう。
そのペピートの招待で、素敵なジプシーサーカスをみんなで見に行くことに。
観覧車で大喜びをしていたら、突然の雷雨のため観覧車は止まり、一行は急遽寄宿舎へ、ところがマドレーヌがいません。
そう、マドレーヌとペピートは観覧車のてっぺんに取り残されたままでした。
ここから、お話はマドレーヌとペピートをジプシーサーカス団と共にパリを離れフランス各地へと連れて行きます。
ミス・クラベルの心配をよそに、サーカス生活をことのほか楽しんでいるマドレーヌとペピートがなんとも可愛らしいんです。
ジプシーかあさんが、二人を取り返されぬよう一計を案じたライオン毛皮作戦が、また楽しい。
にわかライオンになってもサーカス団でじっとしている二人じゃないですから、読んでいる小さな読者さんも冷や汗ものです。
でも、エンデイングはやっぱりほっとしちゃいます。
12人確かにいるか、小さな指で確認するお子さんも多いことでしょう。
これだから、次の作品へと思わず手が伸びちゃうんでしょうね。
マドレーヌシリーズで、瀬田貞二さんの翻訳作品はこれが最後でしょうか?
短めの優しい文章で、お話の展開を子どもたちに明確に伝える名訳だと思います。
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カウボーイスタイルの可愛らしいこと
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投稿日:2013/03/17 |
そうそう、マドレーヌはアメリカ生まれの女の子でしたっけ。
ある日パリのマドレーヌのいる寄宿舎に、アメリカのテキサス州に住むひいおじいさんが亡くなったとの海外電報が届き、遺言書の公開のため、マドレーヌはテキサスに呼ばれます。
ミス・クラベルとマドレーヌたちは、テキサスへ飛行機で飛び立ちます。マドレーヌシリーズでは、初の海を渡るお話ですね。
マドレーヌのひいおじいさんの富豪ぶりに驚きました。
牧場・油田・金鉱山・世界で一番立派なお店etc
大人の読者も勘違いしてしまいそうな莫大な財産を前に、有頂天なマドレーヌを見事に制するのは、やはりミス・クラベル。素晴らしい!
そんな中、マドレーヌが行方不明に、・・・。
ひいおじいさんの遺言書には、なんと書いてあったのかは読んでのお楽しみということで、・・・。
テキサスに着いてから、マドレーヌたちが着替えたテンガロンハットにウエスタンブーツというカウボーイスタイルの可愛らしいこと。
マドレーヌの正式な氏名は、マドレーヌ・フォッグ嬢だということもこの作品で明らかになります。
ルドウィッヒ・ベーメルマンスが、1950年代に旅をしたテキサスを舞台にスケッチをし物語を書いていた遺作に、お孫さんのジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ(生前のルドヴィッヒには会った事がないそうです)が、実際にテキサスを旅しスケッチを足し完成させた作品だそうです。
他に「はくしゃくとくつしょくにん」・「サンシャイン」・「ベーメルマンス家のクリスマスの思い出(バーバラ・ベーメルマンス著)」も同時掲載されています。
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「育てる」って、忍耐の前にこれなんだなぁ〜。
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投稿日:2013/03/17 |
マドレーヌシリーズ作品。
表紙は、コンコルド広場。
見返しは、セーヌ川岸から見たノートルダム寺院。
この作品も、パリの名所を楽しめます。
フルカラーの見開きと、黄色&黒色の二色刷りの見開きが交互に編集されているおなじみの作品です。
中でも、ブローニュの森(パリの西にある公園)のフルカラーの見開きが、私は素敵だなって思います。
さて今回は、マドレーヌの寄宿舎学校のお隣に、スペイン大使一家が越してきたところからお話が始まります。
問題は、大使のご子息ペピート。
とんでもないいたずらっ子。
「どうみたって、あのこは あっかんだわ」と言い切るマドレーヌと対照的な、「あのかたには、げんきが ありあまっているんです。」という寛容なミス・クラベルの言葉に笑ってしまいます。
ミス・クラベルに習い、ぺピートを見守り読み進めましたが、度が過ぎるいたずらに厭きれ始めた頃に、ペピートに災難が、・・・。
心を入れ替えたペピートのその後に再び笑わされ、彼を上手に導くマドレーヌのちょっと成長した姿にもニコリとしてしまいます。
エンデイングのミス・クラベルの言葉は、子供たちへの信頼と寛容に満ち溢れグッと来ました。
「育てる」って、忍耐の前にこれなんだなぁ〜。
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商人が読者を二転三転と裏切り笑わせてくれるところが楽しい
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投稿日:2013/03/17 |
娘のバーバラさんの「ベーメルマンス家のクリスマスの思い出【「アメリカのマドレーヌ(BL出版)」に掲載】によると、ルドウィッヒ・ベーメルマンスは、ことのほかクリスマスが大好きだった方だったそうです。特に、1949年のクリスマスイブの思い出話にグッと来ました。
さて、クリスマスの前の晩。折悪しく、寄宿舎のみんなは風邪をひいて寝込んでいます。
ただ1人おちびで勇敢なマドレーヌだけが元気で、テキパキと働いている所へ、一人の怪しげなじゅうたん商人がやってきます。
ベッドサイドに敷く12人分のじゅうたんを商人から買いました。
が、じゅうたんをみんな手放し、寒さに震えるなんとも間の抜けた商人は、商品を取り戻しにカチコチに凍え寄宿舎に引き返して来ます。
マドレーヌは、商人(実は魔術師でもあるんです)を溶かしてやり、商人がマドレーヌたちにお礼としてしてあげた事は、・・・。
とってもクリスマスにふさわしい温かいお話でした。
怪しげな商人(魔術師)が、怪しい→間が抜けてる→凄い術使い→とっても優しい、という読者を二転三転と裏切り笑わせてくれるところが楽しかったです。
ルドウィッヒ・ベーメルマンスが、幼少時に母親から聞いた彼女の寄宿舎学校(修道院運営)での生活経験が、ベースとなってマドレーヌ作品は生まれたそうです。
“幼い子に語ってあげる”っていうことは、やはり大切だなぁ〜って思いますね。
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寄宿舎生活にちょっと憧れてしまったりして・・・
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投稿日:2013/03/16 |
ルドウィッヒ・ベーメルマンス について勉強する機会があり、改めて作品を読み直しました。
この作品は、マドレーヌシリーズ第二作目で、コールデコット賞を受賞した作品です。
マドレーヌの魅力満載で、この後シリーズ化して行くことを納得させてくれる作品だと思います。
文頭は、”パリの つたの からんだ ある ふるい やしきに、12にんの おんなのこが、くらしていました。2れつになって、・・・”のお決まりの文で始まります。
その中で一番ちっちゃいけど一番元気な子が、マドレーヌ。
さて今回は、ある日の朝お散歩中に、マドレーヌが元気が良すぎてセーヌ川に落ちてしまいます。
彼女を救ってくれたのは、一匹の雑種権。みんなは、その勇ましい犬を自分たちの寄宿舎に連れて帰り、住まわせます。
とても利口で役に立つその犬は、ジュヌビエーブと名前をつけられ、マドレーヌたちと楽しい寄宿舎生活をしていたのですが、学校検査の日に評議委員たちがやってきて、・・・。
ジュヌビエーブ大好きな12人の女の子たちが、彼女をめぐりもめて大騒ぎをする場面に、思わずクスリとしてしまいます。寄宿舎生活にちょっと憧れてしまったりして。
エンデイングも心がポーっと温かくなりおしゃれでした。
モンマルトル通り・レ・アル(当時のパリの中央市場)・チュイルリー公園等々パリの名所も上品に紹介されています。
コールデコット賞の授賞式には、ルドウィッヒの妻(本名マドレーヌ)が、驚き嫌がる彼に代わって出席したというお話にもクスリとしてしまいます。
小さい読者さんは、きっとマドレーヌ作品に出会ったら、マドレーヌの魅力のとりこになることでしょう。
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“学ぶ”ことの意義を伝えられる素晴らしい作品
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投稿日:2012/11/20 |
高学年対象のお話会で読みたいな〜と思いました。
なかなか、高学年で絵本となると選書が難しいんです。
戦争や落語・狂言というようなテーマがあるときは選べますが、児童の知的欲求に応えられるような絵本選びに苦慮します。
よって、芥川作品やら・安房直子作品を朗読して、あとはブックトークをなんて形式で今年も行いました。
こちらの作品は、自伝絵本です。
1987年、マラウィに生まれたたウィリアム少年が、2001〜2002年の日照り続きで飢饉に見舞われました(マラウィ全体で死者1万人以上)。
一日一食の生活で6人の姉妹も痩せこけ、父親は視力も失ったそうです。
そして、ウィリアム少年は学費が払えないので学校をやめました。
しかし、彼はアメリカ政府の始めた図書館に通い始め、科学の本に夢中になりました。
英語を良く知らない彼は、辞書を片手に「風車の写真」の説明を読みました。
“風車は発電したり、水をくみ上げたりすることができる”
このくだりを読み、彼は自分で風車を作ろうと決心しました。
この後の経緯は作品の中をご覧ください。
彼のこの努力の姿こそが“自ら学ぶ力”なのだと思いました。
幼い頃から、ものの仕組みに興味関心を持つ少年でしたが、実際に風車を作り、グローバルなムーブメントを起こす事になります。
小学校を卒業し、中学へと進む子どもたちに“学ぶことの意義”を伝えられる素晴らしい作品だと思います。
巻末の作者紹介文も必ず、児童に読み伝えたいと思います。
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