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![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
「ばいかる丸」は大正10年に客船として生まれました。 その後商船となり、戦争に巻き込まれ…と、出会った様々な出来事を話してくれます。
幻の絵本シリーズ、ポニー・ブックスの中の1冊、1963年刊の復刻版。 ポニー・ブックスは、1960年代、一流の漫画家、イラストレーターが絵とお話の両方を手がけたことで 話題をよんだ絵本シリーズ。 製本、用紙、文字、色味、等、なるべく当時の風合いを再現して復刊しました。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
船好きで知られる柳原良平さんの絵本です。
1965年に出版された本の復刻版だそうです。
「大正10年。今から40年いじょうも前の話です。」
で始まります。
大正10年は、1921年。
実際は、今から100年近くも前の話でした。
神戸造船所で生まれたばいかる丸は、
大連へとお客さんを運びます。
800人ものお客さんが乗る大型船でした。
戦争が始まると、黒く塗られ、病院船となり、
中国からけが人を運びました。
戦争後半は、国際赤十字の船となり、今度は白く塗られ、
昭和20年、大分県沖で機雷に触れて大穴があいてしまいます。
戦後は、瀬戸内海にて船員の学校の寄宿舎に、
昭和24年からは、捕鯨船に、
最後は冷凍船へ、生まれ変わります。
ばいかる丸自身が「ワタシは、」と、
自分の歴史を一人称で語ります。
時代とともに変化していく日本の様子や、
自身の姿が、丁寧な文章と詳細の挿絵でつづられています。
船好きの息子はもちろん、
特段船好きではない私も、感情移入してしまいました。
船を愛する柳原良平さんならではの絵本、
ほんとうに素晴らしい絵本でした。
復刻してくれて、本当によかった本。
ありがとうございます。 (Tamiさん 40代・ママ 男の子8歳)
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