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お母さんのおなかに赤ちゃんが! 出産のあいだ、九州の祖父母の家にあずけられることになった小学四年生のゆな。ほんとうは、妹が生まれるのが楽しみで、お手伝いをしたいのに…。 むくれた気持ちのままやってきた祖父母の家は、活版印刷所「文海堂」。昔ながらの印刷技術を守りながら暮らすじいじとばあばの姿を見て、ゆなは、言葉をつむぐこと、思いを伝えることの大切さに気づいていきます…。 作中の主人公の成果物であるはがきが、実際に活版印刷で刷られ、綴じこまれています。

お腹に赤ちゃんがいるお母さんの入院で、急に東京から九州のおじいさんの家に預けられることになったゆなちゃんの心の成長が、とても爽やかに感じ取れました。
家で一所懸命頑張ろうとしたゆなちゃんでしたが、失敗ばかりで、心がトゲトゲになっていたんですね。
ちょっとした一言で、親を悲しませ、自分でも悔やんでしまったゆなちゃんでしたが、九州の生活は無駄ではなかったようです。
おじいさんの家業が活版印刷屋さんだったことに、とても懐かしさを感じました。
私の仕事は図書館職員でしたが、パソコン、ワープロと遡っていくと、和文タイプライターが出発点でした。
活版印刷の苦労と味わいがよくわかります。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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