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「獅子舞の頭(かしら)に似ているが、少し違う。」 遠野で神楽舞いに使われる「ごんげ様」(権現様)は不思議な力を持つ、ありがたい神様。病を癒し、火事を消し......。でもごんげ様同士が一緒になると......? 絵本作家・軽部武宏が、あやしく鮮やかに描き出すシリーズ最大の活劇!!
えほん遠野物語シリーズ。
遠野物語は伝承ですが、妙にリアリティがあるのが奥深いです。
ごんげ様とは、神楽舞いに使う木でできた頭(かしら)。
お神楽の組ごとに違うごんげ様があるだけに、実にいろいろなエピソードがあるのですね。
火を消す様子など、その有様が浮かび上がります。
なかでも、ごんげ様同士のケンカはすさまじいです。
片耳が咬み取られるという決定的証拠が残っているのですから雄弁です。
妖怪などの絵が多い軽部武宏さんの絵が、迫力満点です。
もちろん、京極夏彦さんの語りも、淡々とした中に、冷気を感じます。 (レイラさん 50代・ママ )
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