![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
ある日、メンドリが畑でとうもろこしを食べていると、ぽとんと何かが頭の上に落ちてきました。空が落ちてきたと思ったメンドリは、王様に知らせようと、走りだしました。 途中で出会ったオンドリ、ガチョウ、シチメンチョウも一緒になって走っていくと、 キツネが現れて、近道を教えてあげるといいますが……。長新太が描くイギリスの昔話の絵本です。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
オチが笑えないだけに、少し不気味なお話です。
空から落ちてきたのは何だったのでしょう。
何かが落ちてきたことに動転して、王さまに知らせなきゃと、夢中で走るめんどりははたから見ると滑稽です。
そのめんどりに、考えることもなく雷同してしまう鳥たちはもっと滑稽です。
でも、その滑稽さがとんでもない結末を迎えるのですから皮肉です。
悪知恵の働くきつねからすると、自分の食料が向こうからやってきたのです。
きつねの穴に誘い込まれて、鳥たちは次々と首を捻られてしまいます。
おんどりの悲鳴にめんどりだけが助けられて、難を逃れることができました。
めんどりは、空が落ちてきたことを伝えることができませんでしたという、オチらしからぬオチです。
でも、問題は別のところにあるのでしょう。
きつねのような悪は、実はいたるところにいるのです。
この昔ばなしは、笑い話でも寓話でもありませんが、結構辛辣です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
|