![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
まず目に入るのは、『これがほんとの大きさ!』などでも人気のスティーブ・ジェンキンスの描く動物達の美しさ。 画面からまっすぐこちらを見つめてくるつぶらな瞳を見ていると、どうやらまだ小さな赤ちゃんなのでしょうか。 貼り絵なのだけれど、体温や鼻息まで伝わってきそうです。 そして、「こんにちは あかちゃん!」「あかちゃん、あなたはおさるさんかな?」と呼びかけが始まります。 すると、ちょっと不思議な感覚になるのです。 絵本の中の動物と、読んでいるママと、読んでもらっているあかちゃんの対等な三角形が浮かんできます。 あかちゃんがかばさんやヤマアラシくんに見えてきたり、おさるさんやライオンさんがあかちゃんに見えてきたり。ママはどちらに話しかけているのでしょう。 どちらにしろ、この絵本を読んでいると、可愛くてたまらない赤ちゃんを見つめたり触ったりしているママの姿が思い浮かんできます。 赤ちゃんはどうでしょう。そんなママの呼びかけに幸せそうに応えているのでしょうか。目の前にいる自分よりも大きな知らない顔たちに見入っているのでしょうか。 どんな空間が生まれてくるのか、家庭によってきっと違うのでしょう。声が届くのが楽しみな一冊ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
この絵本の主人公は、読んであげるあなたと、あかちゃんです。 動物の生態にも触れながら、あなたとあかちゃんの掛け合いを楽しめる、今までにない絵本です。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
スティーブ・ジェンキンズは、2004年に「こんなしっぽで なにするの」でコールデコット賞オナー賞を受賞しています。
他にも、「これがほんとの大きさ!」「ほねほね絵本」「どうぶつ、いちばん だあれ?」等の科学の絵本で知られています。
この絵本も、1級の科学の絵本かと思って読んだのですが、さにあらず。
物語は、
「こんにちは あかちゃん!
ちいさな おてての あなたは だれかな?」
という書き出しで始まります。
その一文の下には、あかちゃんの手があって、次頁には、何かの尻尾が見えています。
次の頁には尻尾の持ち主のお猿さんが登場。
そして、
「あかちゃん、あなたは
おさるさんかな?
あんよが じょうずに うごくものね」
と続きます。
そう、これは、あかちゃんに呼び掛ける絵本なのです。
絵本の主人公は、あかちゃん。
絵本を読み聞かせるというよりも、絵本と通じてあかちゃんと対話すると言った方が相応しい作品と言えるかも知れません。
いつもながらの、スティーブ ジェンキンスのコラージュの絵が、冴え渡ります。
それも、一面に動物の表情が大きく描かれているものだから、あかちゃんも釘付けになること間違いありません。
最初、読んだ時、いつもの科学絵本を期待していただけに、一寸がっかりしたのですが、対象をあかちゃんと置いた作り手の意図を鑑みると、最高水準の絵本だと認識を新たにしました。
贅沢すぎるファーストブックの登場と言えそうです。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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