人気コンビがおくる、新作クリスマス絵本
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絵本紹介
2024.07.23
ここ最近の夏は、危険を感じるほど気温が高い日も増えています。子どもたちに太陽の下で夏ならではの外遊びを楽しませてあげたいけれど、ここはグッと我慢。その代わりに屋内で、思いきり楽しく過ごすのだ!
おはなし絵本は、そんな時間を後押ししてくれるとびきりのアイテムです。
はりきって準備万端、なのに肝心のプールが……淡々と描かれるあくなきプールへの挑戦から目が離せない『プールへ行こう』。 お父さんの故郷の海辺の街へと向かう「ぼく」、山の麓の祖父母の家に向かう「わたし」、絵本の前からも後ろからも楽しめる交錯する2つのおはなし『うみへ やまへ』。 荒戸里也子さんワールド全開、迷子の不思議な生きもののおうちを探す『まいごでござる』や、古典落語がわかりやすく楽しい絵本になった『千両みかん』など、三浦太郎さん、長谷川義史さん、ザ・キャビンカンパニーさん、アーノルド・ローベルといった人気作家が手がけた絵本もずらり。ぜーんぶ読みたくなっちゃう、見逃せないラインナップです。
さぁ、暑さも吹き飛ばすおはなしの世界へトリップ!大満足の夏時間をどうぞ。
みどころ
ゴーグルにキャップにタオル。そして白黒シマ模様の水着で、準備バッチリ。さあ、プールにいこう! とはりきっていってみたら……。月曜日は見たこともないほどぎゅうぎゅうの人混みプール。火曜日は魚釣りの日? 水曜日、木曜日は?
七変化するプールにびっくり。準備万端の子どもは残念そうなものの、「またあした!」と明るく前向きです。読後感もすがすがしく、なんだかにっこりしてしまう絵本です。見返しには「いち にい さん し」と準備体操をするかわいいポーズがいっぱい! 白黒のコントラストがおしゃれな印象と、どこかゆるく温かいぬくもりが同時に感じられます。
スイスの出版社からデビュー、グローバルに活躍する絵本作家のみうらともさん。本作もスイスで刊行後、みうらさんご自身の日本語テキストで作られたとか。みうらさんの作品が日本で刊行されるのは『わたしのちいさないもうと』(岩波書店)に続き2作目。海外生活経験が豊富で、ほっとする明るさが味わい深い、みうらともさんの作品世界をお楽しみください。これからますます活躍が楽しみな作家さんです。
出版社からの内容紹介
きょう ぼくは はじめて おとうさんの うまれた うみべのまちへ いきます。
「ぼく」は家族で白い車に乗って出発します。牧場をこえて、田んぼの一本道を通り、街なかをすぎて、大きな橋をわたったら……灯台が見えてくる!
山沿いの家から海辺の町へむかう道中の風景を、美しい絵と日記ふうの文体でえがきます。
この絵本には、もうひとり主人公がいます。
本をうしろから開くと、海辺にすむ「わたし」があかい車に乗って、母方の祖父母を山のふもとへ訪ねるお話になるのです。
前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本です。
この書籍を作った人
1968年愛知県生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、イラストレーターとして活動。ボローニャ国際絵本原画展で入選を重ね、スイス、イタリア、スペインなど海外でも絵本を出版。絵本作品に、『くっついた』『ゴリラのおとうちゃん』(こぐま社)、『ちいさなおうさま』『おおきなおひめさま』(偕成社)、『バスがきました』(童心社)、『おしり』『よしよし』『りんごがコロコロコロリンコ』(講談社)など多数。
出版社からの内容紹介
こたろうが見つけたのは、しろくてふさふさした迷子。いったいこの子は何なんだろう。みんなに聞きながら、おうちに帰してあげようとしますが……。
こたろうをはじめ、いろんなひとたちが迷子の力になろうとする、あたたかなお話です。迷子の正体は何なのか、ページをめくる楽しさがあります。最後にたどりついた答えにびっくり! 時代物が好評の、荒戸里也子さんの魅力的な世界を楽しめます。
出版社からの内容紹介
少し昔、暑い夏のこと。大きな店の若旦那が病気で寝込んでしまいました。
「色つやのええ、ふっくらした…みかんや。みかんが食べたいねん」
番頭さんは、そんなことかと大笑い。しかし、たいていのものが年中手に入る時代ではありません。あちこち探しまわり、やっとひとつ見つかりましたが…。古典落語の名作を絵本で描きます。
この書籍を作った人
絵本・童話作家。 編集者、ライターなどを経て子ども向け作品を書き始める。 『どうぶつゆうびん』(あべ弘士・絵 講談社)で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『ふってきました』(石井聖岳・絵 講談社)で日本絵本賞、講談社出版文化賞絵本賞を受賞。そのほか絵本に「セブンの行事えほん」シリーズ(ふくだいわお・絵 世界文化社)、「すっぽんぽんのすけ」シリーズ(荒井良二・絵 鈴木出版)、「狂言えほん」シリーズ(講談社)、『おいなりさん』(中川学・絵 アリス館)、童話に「おばけのバケロン」シリーズ(つじむらあゆこ・絵 ポプラ社)、『うめちゃんとたらこちゃん』(田中六大・絵 講談社)などがある。絵本とおやつについて綴ったエッセイ『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(ホーム社)も好評。
この書籍を作った人
1961年、大阪府生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーターを経て、『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』(BL出版) で絵本デビュー。『うえへまいりまぁす』(PHP研究所)、『やまださんちのてんきよほう』 (絵本館)、『きみたちきょうからともだちだ』(朔北社)、『おへそのあな』(BL出版)、『スモウマン』『いろはのかるた奉行』(講談社)など、ユーモアあふれる作品を発表。2003年、『おたまさんのおかいさん』(解放出版社)で講談社出版文化賞絵本賞、2005年に『いろはにほへと』(BL出版)で日本絵本賞を受賞。2008年に『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)で日本絵本賞、小学館児童出版文化賞を受賞。
出版社からの内容紹介
きょう、おうちの げんかんに はじめて ながぐつが やってくるんですって。
「『ながぐつ』って、どんな かおかな? ぼく、ともだちに なれるかな?」
かさが わくわくして まっていると…
かさも ながぐつも雨の日が大好き。 かさとながぐつの、ことば遊びのやりとり が楽しい雨の日絵本。
この書籍を作った人
1955年、大阪府に生まれる。「ハリネズミのプルプル」シリーズ(文溪堂)で赤い鳥文学賞、『だれか、そいつをつかまえろ!』(BL出版)で日本絵本賞翻訳絵本賞、『クリスマスはきみといっしょに』(BL出版)で産経児童出版文化賞、『ものすごくおおきなプリンのうえで』(教育画劇)で日本絵本賞大賞、『へちまのへーたろー』(教育画劇)で日本絵本賞を受賞。おもな作品に、『さんぽひものはつこい』『どうしてクリスマスには…』『だいすき、でも、でもね』『だいすき、でも、ひみつ』(文研出版)、「あいうえおパラダイス」シリーズ(理論社)、『コロッケくんのぼうけん』(偕成社)『せかいでいちばん大きなおいも』(佼成出版社)、翻訳絵本に「トゥートとパドル」シリーズ(BL出版)、『こどものじかん はる なつ あき ふゆ』(岩崎書店)など多数ある。
この書籍を作った人
1968年、兵庫県に生まれる。主な絵本の作品に、『ねこのピカリとまどのほし』(あかね書房)、『イモムシかいぎ』(小学館)、「こぶたのブルトン」シリーズ(アリス館)、『いっぽんみちをあるいていたら』(ひかりのくに)、さし絵の作品に、『とっておきのはいく』(PHP研究所)、『ケンタのとりのすだいさくせん』(文溪堂)、『からすとかばのかいすいよく』(理論社)など多数ある。音楽と朗読の会や、絵本作りワークショップなども開催している。
出版社からの内容紹介
雨になりそうだったので、傘を持ってパパのおむかえにいった『ぼく』。駅にはたくさんのお客さんがいるけれど、ちゃんとパパに会えるかな?
この書籍を作った人
名古屋生まれ群馬県在住。短大保育学部卒業後、名古屋で保育士として保育園に勤務。結婚後群馬に引っ越し、自宅で13年間こども美術教室を開きつつ保育士の仕事を再開。現在認定こども園で、保育教諭として奮闘中。電子絵本に『おばあちゃんとにんじゃ あやしいかげのまき』(next coach)がある。
みどころ
広い空の中で、だんだんと沈みゆく太陽。すべてのものを金色に染め、空気がひんやりとし、遠くで優しい音がする。
田んぼで、プールの中で、公園のジャングルジムで、買い物帰りにおかあさんと一緒に、部屋の中ひとりで。どんな子のところにも、そこここで生きる全ての人のところに、夕焼けはやってくる。
今日は一日何があったのかな。誰かと笑いあっていたのかな、それともひとりで静かに過ごしたのかな。楽しいことも、くやしいことも、悲しい涙やギラギラした汗までも。夕焼けがすべてを包みこみ、とけていく。そうしてやってくるのが、この静かな夜の空……。
一日が終わる前のほんのひととき。ページをめくるたびに時間は少しずつ過ぎていき、目に飛びこんでくるのは、初めて見るような、どこかで体験したことがあるような、美しくも懐かしい場面の数々。それらを順に眺めていると、不思議と心が落ち着いてくるのです。自分の中の「何か」も、絵本の中に一緒にとけこんでいくようです。今最も注目を集める絵本作家ザ・キャビンカンパニーの最新作。彼らは最後につぶやいてくれます。
「ゆっくり おやすみ。」
この書籍を作った人
阿部健太朗(1989-)と吉岡紗希(1988-)による二人組の絵本作家/美術家。ともに大分県生まれ。大分県由布市の廃校をアトリエにして、絵本・立体造形・アニメーションなど様々な作品を生み出し、国内外で発表している。主な著書に「ゆうやけにとけていく」(小学館)「がっこうにまにあわない」「しんごうきピコリ」(共にあかね書房)「だいおういかの いかたろう」(鈴木出版)など。主な受賞歴に「第28回日本絵本賞」「第20回日本絵本賞読者賞」など。
出版社からの内容紹介
今日は孫のミシェルの誕生日。
しばらく会っていない地球の反対側に住む孫に、プレゼントを渡しに行くおじさんの痛快ストーリー。
はたしておじさんは、間に合うのか?
大冒険のはじまりはじまり〜?
出版社からの内容紹介
昔、色のない時代がありました。魔法使いが、最初は青、次は黄色、その次は赤の世界を
つくりだします。 でも、一つの色だけでは、なんだか落ち着きません。
そこで色を混ぜ合わせると、どうなったでしょう?
この書籍を作った人
1933年アメリカ ロサンゼルス生まれ。高校卒業後ブルックリンの「プラット・インスティテュート」に入学。本のイラストレーションを学ぶ。ポーランド生まれのアニタ・ローベルと出会い結婚。『わたしの庭のバラの花』など、ローベルが文、アニタが作画を担当した絵本も出版されている。『ふたりはともだち』でコルデコット賞次賞と全米図書賞、『ふたりはいっしょ』でニューベリー賞、『どうぶつものがたり』でコルデコット賞を受賞。20世紀アメリカを代表する絵本作家となる。その他の作品に『ふくろうくん』『おはなしばんざい』(以上文化出版局刊)などがある。1987年ニューヨークの病院で他界。
文/竹原雅子
編集/木村春子