さて、考えてみて。 きみの家のこと。きみの住む町のこと。 どんな町に住んでみたい?何があったら嬉しい? 友だちとどんな所に遊びに行きたい? 「うーん・・・何となく想像がつかないなあ。」
そこでスギヤマカナヨさんが作ってくれた、こんな絵本! ページをめくると、真っ白な画面。 そこに、まずは「ぼくの家」。 それから、ちょっと近くに「ともだちの家」。 すぐに遊びに行けるのがいいよね。 みんなで探検できる森や小川もほしいな。 大好きなカレーパンが売っているパンやも忘れちゃいけない。 弟にはケーキやさんもね。
こんな風に、子どもの自由な発想でアイコンが次々に置かれていくうちに、 だんだんと「ぼくの町」が出来上がっていきます。
学校はこの辺り。行き帰りはくねくねやジグザグの楽しい道がいい。 みんなの安全を守ってくれる警察署と消防署も必要だ!
・・・気がつけば、すごくにぎやかになってきた「ぼくの町」。 いいね、いいね。あとは「きみの家」に行くために、何があればいいのかな?
自分が好きな町をつくるって、すごく楽しい! 考えるって面白い! この絵本は教えてくれます。 さあ、読み終わったらきみの番。 最後のページにある地図に「きみの町」を作ってみてね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
真っ白な紙の上に、ぼくが住みたい町を思い描きます。ここに何があったらいいかな?まずは、ぼくの家。それから友だちの家。探検できる森。秘密基地をつくろう。それから、レストランや、デパートや、公園もほしいな。公園では、どんな遊びができるだろう。ページをめくるごとにアイテムが増えて、ぼくの町がだんだん出来上がっていきます。子どもの自由な発想で、自分らしい町をつくる絵本です。
3歳の娘、8歳の息子と読みました。
子供たちのパパはネパール人。
大好きなパパの国、パパの故郷の街で大地震が起きて3日。
たくさんの建物が倒壊していった様子、
がれきになった街の映像がニュースで流れ、
我々大人も、大変なショックを受けました。
この絵本は東日本大震災の後に、
作者のすぎやまさんの復興への思いが込められ、
出版された一冊だそうです。
なにもかもがなくなってしまった街から、
また家が生まれ、
商店が生まれ、学校が、病院が、警察が、
街が作り出されていく様子が、
そして前を向いていくエネルギーが、とてもよく伝わってきて、
涙が出そうになりました。
災害には勝てない人間は弱い。
でも、どんなときにも、また立ち直る力があるのもまた人間。
そんな人間の強さを、ひしひしと感じる力強く暖かい一冊です。
私たち家族にとっても母国のネパールが大変な今、
私たちに何ができるか。
被災地のみなさんの立ち上がっていく力強さを
何かの形ですこしでも力になれたら。
心の底からそう思わされた一冊です。 (ムスカンさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子3歳)
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