ジョジョは、メロン売りのロバ。 おやじさんにやさしくしてもらえず、みんなにばかにされてばかりです。 ある日、ジョジョは、ベネチアという大きな町の広場でメロンを売ることになりました。 華やかな広場には、ベネチアをおさめるドージェさまのお屋敷があり、 大聖堂の正面はりだしには、4頭の金の馬の彫刻がかがやいています。 「メロンはいかがー、オイーン!」とジョジョがいななくと、人々は笑いました。 美しい馬の下にみずぼらしいロバがいる!といって。 でもお屋敷から出てきたおひめさまは…… 「わたし、ロバさんとおともだちになりたいの」
うまれてはじめてなでてもらい、うれしさでふるえるジョジョ。 ぶかっこうなロバと娘がなかよくすることを、父親のドージェさまはゆるしません。 しかしある夜、ジョジョとおひめさまはベネチアの人々を救うのです!
作者マイケル・モーパーゴが、実際にベネチアのサンマルコ広場で金の馬の彫刻を見たことから生まれたお話。 広場にはドージェ(提督)が代々暮らしてきた宮殿もあり、思いをめぐらすうちに、ロバとドージェの娘の物語を書こうと思ったのだそうです。 「オイーン、オー、オー、オー、オイーン!」 ちょっぴりせつない、間の抜けたようなジョジョのいななき声が、作品全体をほんわかさせています。 絵は、のびのびしたタッチと色彩豊かなイラストが魅力のヘレン・スティーヴンズ。 『ライオンをかくすには』『おばあちゃんからライオンをかくすには』などが邦訳されています。 いかにもベネチアらしい運河や小橋、裏通り、霧の朝、高い塔など、風景描写にもご注目くださいね。 歴史に彩られた水の都、ベネチアが舞台の、かわいらしいお話です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ロバのジョジョはメロン売り。ベネチアの町の広場で、メロンを売っていると、おひめさまがやってきて、ジョジョをやさしくなでてくれました。さて、おひめさまの誕生日、父親は馬を買ってやろうといいますが、おひめさまが選んだのは、ロバのジョジョ。「みにくいロバなどダメだ」と父親が許さないので、おひめさまはジョジョに、夜、こっそり一緒に逃げ出そうといいます。その夜、激しい雨のなか、ジョジョが町の広場に着くと、高潮で水が流れこみ…? 心がほんわかする絵本です。
ロバのジョジョが、生まれて初めて人になでてもらって、喜びを
感じることが出来てよかったと思いました。
毎日たくさんのメロンを背中に山ほど積んでおやじさんに、優しく
してもらったならば、きっと仕事をするのも楽しかっただろうと思う
ので、生き物を飼っているのなら、やっぱり愛情をかけてほしいと
思いました。ロバのジョジョは、お姫様に可愛がられて、町の人の
命も救うことが出来て、読んでいてもハッピーエンドで嬉しかった
です! (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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