ブラウンストーン一族は、何千年もかけて世界中のふしぎなものを集めている冒険一族。地下室には、立派な鎧やふしぎな像、謎の生き物の骨、岩に刺さったままの剣など、世界各国のあらゆるお宝が眠っています。なかでも一番のお宝は、ブラウンストーン一族の冒険がまとめられた一冊の古い本。
今回は、ブラウンストーン一族の中で最初に冒険に出かけた、アーサーの物語が語られます。
アーサーは、一言で言えば「すごいことなんかしそうになかった」男の子。町に住むおばあさんから昔話を聞くのが好きで、森に住むふしぎな生きものと仲良くなるのが上手でした。
ある日、突然森からやってきたオオカミが、アーサーの町を襲い、町を温めている大きな炎を消してしまいます。森にいたことで、オオカミを呼び寄せたと疑われてしまったアーサーは、自身の疑いを晴らし、オオカミに消された火を再び灯してもらうため、かみなりの神様を探す旅に出ることになりました。アーサーは、無事、かみなりの神様に会うことができるのでしょうか? 町を守る火は、再び燈るのでしょうか?
おはなしに登場する、「かみなりの神トール」や「ばけもののオオカミのフェンリル」「うちゅうの木」など、北欧神話を読んだことがある方ならすぐに、この作品が北欧神話をベースに書かれていることに気づくことでしょう。「ブラウンストーンいちぞくのぼうけん」は子どもの頃に知っておきたい神話を題材に、主人公がワクワクドキドキする冒険に出かける絵本シリーズなのです。
アーサーのおはなしの中には、文章だけでなく、絵の隅々にも北欧神話に登場する神やふしぎな生きものが描かれています。巻末には絵に出てくるものの詳しい解説も載っていますので、北欧神話を知らなくても大丈夫。おはなしを読むことで自然と神話の知識も身につく、一冊で二度楽しい作品です。
シリーズ2作目の『マーシートスフィンクスのなぞ』はエジプト神話が題材のおはなし。神話に詳しい方も、神話を知りたい方も手に取ってほしい一冊です。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
「ブラウンストーンいちぞくのぼうけん」シリーズの第一弾となる絵本。本シリーズは、主人公が、世界の神話や昔話に出てくる神がみとかかわって活躍するお話です。本書では、町の変わり者アーサーが、ばけものオオカミにおそわれて危機に陥った町をすくうため、北欧のバイキングの神さまの国へ向かい、かみなりの神さまとともに、ばけものたちとオオカミをつかまえます。
「ブラウンストーン家のちかしつへようこそ。」
と、物語が始まります。
地下室には、ブラウンストーン一族が何千年もかけて、地球のあちこちから集めてきた宝物が一杯で、もうワクワクが始まります。
そんなブラウンストーン家の初めての冒険が描かれています。
絵は可愛くてポップ、文字とのバランスとか配置などが目に優しいというか…とても読みやすいです。
巻末の解説も楽しく、シリーズ全部を手元に置きたくなりました。
(こはこはくさん 50代・ママ 男の子13歳)
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