「かにかくかにか」「にんにくろくにんに」「くまうたうようたうまく」「マイクおくいま」このちょっぴり不思議な言葉たち。よくよくみてみると、前から読んでも後ろから読んでも同じ言葉になる回文です。ただそれだけではありません!なんと絵本では○で囲われた文字「かに」「にんにく」「くま」「マイク」が、しりとりになっているのです。
独自の言語感覚が光る詩人、林木林さんによる、言葉遊びの面白さが詰め込まれた作品。しりとりと回文が同時に楽しめるなんて、今までにない体験ですね。
そして、このしりとりと回文に関わるイラストを賑やかに描くのは、イラストレーターの大竹悦子さん。細かく描かれた線が積み重なって、個性的で濃い味に仕上がっています。それぞれのキャラクターたちは、妙なおかしさが醸し出され、クセになる味わいです。
表紙裏表紙まで、ずらっと贅沢に描きこまれた楽しくて不思議な世界。初めから最後まで、回文がきちんんとしりとりでつながっているのは感動ものです。イラストを細かくみると、それぞれにいろんな物語を発見できるのも魅力のひとつ。読むたびに新しい発見がありますよ。しりとり、回文、イラストと、いろんな楽しみができる、一回で3度おいしい絵本です。
(出合聡美 絵本ナビライター)
しりとりと回文が、同時に楽しめる絵本。色のついた○のことばが、しりとりになっていて、文は、回文です。上からよんでも、下からよんでも同じになります。個性のあるキャラクターが登場し、イラストには、隠れたストーリーがあります。
口頭だと子供にはなかなか理解されませんよね。
が、文字になると「普通に読む」⇒「下から指差しつつ読む」⇒「さっきと同じになることに驚く」というアハ体験ができて、こりゃ良いなと感じました。
驚くくらいたくさんの回文が出てきます(いくつかは「無理やりすぎて意味が…」というものも^^;)。読み聞かせ中に子供がおもむろに自分で指差し読みをはじめてみたり、色々な楽しみ方ができる本でした。 (たちばなさん 30代・ママ 女の子5歳)
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