1977年発売以来ロングセラーの大型絵本。 ともだちがいないこぎつねのコンとこだぬきのポンは、ある日、がけの向こうに、だれかさんの姿を見つけます。 家に帰って「ともだちって、あの子のこと?」と聞いてみると、どちらの両親も身ぶるいし「たぬきなんかわるがしこくて」「きつねなんかずるがしこくて」決して遊んではいけないと言います。 それからというもの、コンの家でもポンの家でも化け方の特訓がはじまりました。 いざというとき「たぬきから」「きつねから」身を守れるように。 コンとポンは練習に夢中。二人ともしばらく「川むこうのだれかさん」のことは忘れていました。
ある日、大嵐が来ました。 こわい長い夜があけた朝、嵐のあとを見て歩いていたポンは、がけに杉の木が一本、橋のようにかかっているのを見つけました。同じようにそれを見つけたのがコン。 ポンとコンはついに顔を合わせすっかり仲良しになってしまいます。 しかし遊びで互いが互いに(つまりコンがポンに、ポンがコンに)化けたところで大急ぎで家に帰るはめに。二人とも、自分の家とはちがう家へ・・・。さてコンとポンはどうなる!?
絵本にしては文字が多いのですが、コンとポンはともだちになれるのだろうかとハラハラドキドキ、化け方練習や二家族の対比のおもしろさも手伝って一気に読めてしまいます。 最後、おつきさまが顔を出すころに、仲良くなったコンとポンの家族が別れてそれぞれの家に帰っていく様子がほのぼのと心に残ります。 余韻が味わい深い、読み継がれるお話絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
こっちの山にはコン、むこうの山にはポン。二人とも友だちがほしくてたまりません。
ひとりぼっちの、こぎつねコンとこだぬきポンは、友だちを探しに出かけました。2匹はばったり出会いました。しかし、ここは高い高い崖の上。橋もかかっていません。いっしょに遊ぶこともできません。2匹はトボトボと帰って行きました。そして、ある日のこと、山に嵐がやってきたのです。杉の木が倒れて行き来できるようになったのです。2匹は早速一緒に遊びます。ところが元に戻ることができない状況になって2匹は入れ替わることに・・大変長いお話です。
が、絵もかわいく、お話がとてもほのぼのとしていいものなので、最後まで飽きずに読むことができます。
きつねとたぬき、種類が違っても友情は芽生え、そして子供たちの優しい心で親たちの心も溶けるといった内容で読んだ後、とても満足です。
私がもっともおすすめする1冊ですね (ななみやさん 20代・ママ 女の子2歳)
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