「かみなり」VS「やぶ医者」。この奇妙な組み合わせにより進んでいく珍騒動。 日本の伝統芸能である狂言『神鳴』をもとに、ご存知内田麟太郎さん&新進気鋭の絵本作家よしながこうたくさんが今の子ども達に新たな笑いを届けてくれます。福岡出身のお二人、息もぴったりなお二人がのりにのってアレンジをされた作品というからには期待も高まりますね。 さて、中を開けば・・・それはもう飛び出さんばかりの勢いでかみなり様が迫ってきます。聞けばこうたくさんは子どもの頃からかみなりや怪獣を描き続けてきたのだそう。泣く子も黙るその迫力にも納得なのです。 それに対するは、これまたすっとぼけた雰囲気のやぶ医者の姿。持っている荷物の中味がこれまた・・・。 そんな二人をつなぐのが、軽快なテンポで進み、狂言らしく独特な言い回しが何とも新鮮で面白い会話劇。少し長いお話ですが、そんな事は忘れてしまうぐらい子ども達を釘付けにさせます。(読んでいる方はぐったり!?)) 細かい見所を挙げればきりがないのですが、とにかくこの予想を上回る豪快さは、爽快な気持ちにさせてくれるのです。 このお二人の出会いが生み出す作品、更に見たくなってしまいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おそろしい風貌のかみなり様が、小さな針をこわがるギャップが楽しい、狂言『神鳴』をもとにした絵本。絵ことばの名士、内田麟太郎のとぼけた文章と、よしながこうたくの迫力の絵が見事にマッチした、爽快な一作です!
3年生の子どもたちに読み聞かせをしました。
1回目:絵のインパクトに物語はそっちのけ…(涙
2回目:なんとなーくの物語がわかったようなー。。。
3回目:登場人物のやりとりのおもしろさに気付く!
4回目:絵をもう一度じっくり見てかみなりの迫力に感心…
5回目:さりげなく存在を主張する犬の姿を追う…かわいすぎ!!
6回目:もう物語は覚えた!とばかりに知った顔で楽しむ。
といったふうに読むたびにおもしろさが増す一冊です。
読み聞かせといっしょに狂言について少し紹介してみましたが
3年生には少し難しかったようです。
しかし、このお話のおもしろさは伝わったようで、
あとで手にとって読み、笑っている子もいました。
よしながこうたくさんの絵本は
給食番長シリーズを読んでいたので子どもたちも知っていましたが
毎回どんなおもしろポイントがあるかなーと
まるで挑戦状をたたきつけられたかのように見入って探しています。
この絵本で個人的に注目している(してしまう!?)のは
随所にちょこんと現れる犬!!!
ポーズも表情もとってもかわいいんです!
読むたびに新しい発見があります。
何度か読んでその感動を共有するもよし、
手に取れるところに置いておいて子どもだけで楽しませるもよし、
なんだかお腹いっぱいになれる一冊です。 (ラッツさん 20代・せんせい )
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