「まいにち まいにち おんなじ おふろ。 たまには ちがう おふろに はいりたい」
そう、たとえば…… いちど迷うとのぼせちゃう、迷路のお風呂。 ぶらぶらゆれる、ブランコ風呂。 とってもおいしそうな、ラーメン風呂やプリン風呂。 お湯はなみなみ夢もなみなみ、いろんなお風呂がもりだくさん!
さあ、そらとぶ飛行機風呂にのって夜の大空へ! ところがお風呂の栓を盗まれて、お湯がみるみる減ってきた……。 巨大お風呂建築の中から、栓を盗んだ犯人を探し出せ!
日本人の生活にお風呂がとてもなじみ深いものだからでしょうか? 一見荒唐無稽に思えるこの作品のお風呂たちも、入ったらどんな気分だろうかということが、なんとなく想像できるのが不思議。
絵本のなかにはもちろん、表紙裏にまで楽しそうなお風呂がいっぱい! ただただ浅いだけの「あさい風呂」や、アフロのお兄さんが入っているだけの「アフロ」など、へんてこなお風呂もちらほら……
いろいろなお風呂を見たあとは、巨大お風呂建築巡り! お風呂のビルやお風呂の遊園地のどこかに、飛行機風呂の栓を盗んだ犯人が隠れています。 でも、あれ? この犯人、さっきからいろんなところに隠れていたような……。
また、最初のページから最後のページまで、いたるところにひそんでいるのが、カエルとアヒルのおもちゃ。 ちいさな彼らを、全部みつけることができるでしょうか? 絵探し絵本としても楽しい、きっとお風呂が好きになる一冊。
(堀井拓馬 小説家)
おふろがわいた、ゆがわいた。パンツをぬいで、さあはいろう。でも、まいにちまいにちおんなじおふろ。たまにはちがうおふろにはいりたい。たとえば、ながいおふろはどうだろう? はしまでいってもどってくれば、すっかりからだもあったまる。めいろのおふろはたのしそう。でも、まよっちゃったらのぼせるよ。シーソーぶろ、プリンぶろに、にんじゃぶろ……こんなおふろもあったらいいな。ひこうきずきのにいちゃんは、そらとぶおふろのパイロット。そらとぶおふろで、よぞらへむかってテイクオフ。あれあれ、おふろのせんが、ぬけてるぞ! このままじゃ、おふろがついらくしちゃう。おふろのせんをぬすんだ「アフロ」をさがして! 主人公の男の子がユニークなおふろを考えだして、空の旅へとでかけます。
『しごとば』『続・しごとば』で大人気の鈴木のりたけ氏が描く、奇想天外なおふろの絵本。緻密なイラストで、細部の描画が楽しめます。
こんなお風呂が本当にあればどんなに楽しいだろう…というお風呂が満載です。
お風呂好きにも、お風呂嫌いの子どもにも、大人も楽しめると思います。
また後半は、絵から犯人を捜すクイズ的な楽しみもあります!
最近の絵本には、顔など身体の一部分を強調して異常に大きく描いたり、画面全面にいろんな物が描かれていてゴチャゴチャしたイメージの絵本が多いなか、この絵本の絵は、とても見やすく、でもしっかりとファンタジーの広がりがあって、私は好きです。
なぜかこのごろ、お風呂の絵本がとても気になります。 (ピンピンさん 50代・その他の方 )
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