野に生きる子うさぎ「ふうとはな」の驚きと発見と冒険の日々を描いたシリーズ第2作です。 第1作で出会ったのは、大きな牛のおばさんでしたが、今度ふたりは、草原で美しく可憐に咲くたんぽぽの花に出会います。ここで登場するのは作者のいわむらかずおさんの美術館のフィールド「くさっぱら広場」に咲く日本のたんぽぽ。日本のたんぽぽは虫たちの助けを借りて受粉するそうです。だから花の上にはテントウムシやベニシジミ、ミツバチなど小さな仲間たちでにぎやかです。 そして、「ふうとはな」は虫たちの会話の中で2人の名前に込められた意味を知るのです。「ふう」は風、「はな」は花。その二つはたんぽぽの新しいいのちにとっても大切な役割をしているのです。「たんぽぽ ぽぽぽ」ふたりはうたいながら風と花になりきります。風、花、空・・・そしてかけだすふうとはな。何て喜びにあふれた場面なのでしょう!自分の名前を体感できるなんて。 私もこんな名前の子ども達が欲しくなってしまいました(笑)。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
野原をかけだした「ふう」と「はな」が出会ったのは、きいろい、きれいな花。「こんにちは。わたしのなまえははなよ。あなたのなまえもはな?」話しかけると、「たんぽぽ」と、声がしました。ふたりの前にあらわれたのは、テントウムシ。たんぽぽのまわりに、ほかの虫も集まってきます。“あまいみつがすきな”シジミチョウ。“きいろいかふんがすきな”ミツバチ。そしてふたりは、“花は種を実らせ、新しい命をうむ”“風は種をとばし、いのちを運ぶ”ことを知ります。そう、ふたりの名前には、そんな意味がこめられているのでした。
<著者のことば> 野はらでたんぽぽとお話しよう いわむら かずお
野に生きる子うさぎ「ふう」と「はな」の毎日は、驚きと発見と冒険の日々です。自然からたくさんのことを感じ取り、いのちの仕組みを学んでいきます。 その日、ふたりが草はらで出会ったのは、美しいたんぽぽの花と、テントウムシ、ベニシジミ、ミツバチ。 あたたかい春の日、私の美術館のフィールド「くさっぱら広場」で生まれた一冊です。こどもたちが絵本を読んだあと、野はらで、たんぽぽやテントウムシたちとお話してほしいという願いをこめて…。
<日本のタンポポを、さがしてみよう> 日本には大きくわけて、日本のタンポポとセイヨウタンポポがあります。 セイヨウタンポポは1年じゅうみられますが、日本のタンポポは春にだけ咲きます。 そして、日本のタンポポの花がセイヨウタンポポと大きく違うのは、 虫たちの助けを借りて受粉する必要が あるということです。 ふうとはなが出会うのは、日本のタンポポです。 みなさんも、探しにでかけてみてください。
いわむらさんの絵本らしい、自然との対話を重視した内容だったと思います。
春になり植物が花を咲かせ、種を飛ばし、命をつなげていくことが詩のような文章で表現されていました。
とても美しいストーリーだったと思います。 (てつみんさん 40代・パパ )
|