ぼくには、かわいくない妹がいる。でしゃばりでおしゃべりで、とんでもない妹だ。学校も家も妹のせいで、ぼくは大変なんだ。
いやあ、この表紙のいもうと! これがまた、かわいくない!
お兄ちゃんの、憎憎しいと思っている気持ちが、実によく現れています。
浜田さんて、表現力実に豊かな方ですねえ。
妹は、金魚のフンみたいにくっついてくる。
おしゃべりで、でしゃばりで、うっとうしい。
お兄ちゃんのぼくは、本当にヘキエキしているんだ、というかんじで、お話が始まります。
でも、なんでかな、妹にとって、お兄ちゃんって、本当に大好きな存在なんですよね。
兄がいて、妹という立場の自分にも、身に覚えがあります。
特に、優しくしてもらった覚えも無い。かっこいいわけでも、頭がいいわけでもない。
なのに、妹にとって、お兄ちゃんて憧れなのです。
でも、やっぱり、お兄ちゃんにとって、妹はやっかいな存在なのでしょうねえ。
おたふくかぜで倒れる兄を、おろおろしながら、心配してこっそり見守る妹が微笑ましいです。
そして、兄の回復と共に病に倒れる妹を、「せいせいした」と思いながら、最後には心配になって、
絵本を読み聞かせるところがたまらなく面白い。
(この絵本のタイトル、また味があっていいです)
最後には、やっぱりうっとうしい妹の復活に頭が痛い兄の気持ちが描かれています。
でも、嫌い嫌いといいながら、離れられない二人なのですよね。
そこを実に面白くついている絵本です。 (ルートビアさん 30代・ママ 男の子4歳)
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