『ごんぎつね』や『てぶくろをかいに』など、 誰もが知っている童話を数多く残した童話作家・新美南吉。 2013年は新美南吉生誕100年の年でもあります。 『あかいろうそく』は新美南吉の作品の中でも、 ろうそくを花火だと勘違いする動物たちの姿や、 花火は見たいけれど、火をつけるのを嫌がるやり取りが ユーモアたっぷりに描かれていて、「隠れた名作」と呼ばれる作品のひとつです。
鈴木寿雄さんの描く新美南吉の世界は、 カラフルなページと、色を抑えたページが交互に表れ、 不思議な味わいを感じさせてくれます。 動物たちは無事、ろうそくに火をつけられるでしょうか? 誰が、ろうそくに火をつけるのでしょうか?
29歳という若さでこの世を去った新美南吉が、22歳の時に書いた作品です。
(木村春子 絵本ナビライター)
一本の赤いろうそくを拾ったサル。サルの持ち帰った赤いろうそくを花火だと思い込んだ山の動物たちは、花火の美しいようすを思い浮かべて、なんとか火をつけようと奮闘するが…。動物たちのやりとりが微笑ましくも、愉快な南吉童話の隠れた名作が待望の復刊です。4色と2色で描き分けられた画面も味わい深い絵本です。新美南吉生誕100年にあたる2013年、改めて新美南吉の世界に触れてみてください。初出月刊「キンダーおはなしえほん」1968年10月号。
赤いろうそくを花火だと思い込む、という滑稽さ。
いざ、花火を打ち上げよう!となった時、着火に手間取る動物たちの
様子には思わず笑ってしまいました。
いつこれを「ろうそく」だと気付くのだろう?という余韻を残したまま、
お話は終わってしまいますが、動物たちの純粋なリアクションが、
どうしてここまでユーモラスに感じるのだろう?と思うぐらい、全体を通して
ほんわか、ほのぼの、思わずにんまり笑ってしまう展開がとっても良かったです。 (どんぐりぼうやさん 40代・ママ 男の子11歳)
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