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真夜中でござる。しめしめ、この家の者は、みな寝ているでござる。忍者は、ぬき足さし足、そうっとそうっと・・・。コラージュによる時代劇風、サスペンス調の絵と、奇想天外な展開が楽しい絵本。長谷川義史の妙訳でお届けします!
小学校のおはなし会にやってきた子どもたちが、目ざとくこの本を見つけ、
「これ、おもしろそうや、先に読んで!」と言う。
いやいや、楽しみは最後でござる。
表紙の絵が醸し出すオーラに、子どもたちの感性がさっそく反応していてびっくりです。
何やら意味ありげな題名に、表紙のこのアングル、確かに、惹きつけられます。
闇夜で月明かりに忍者のシルエット。
その忍者の様子が描かれます。
〜でござる、という口調が、なんとも臨場感たっぷりです。
読んでいる私も、ついサスペンス調のトーンになります。
様子伺いも万全、いざ、という段になり、物語は急に大展開始めます。
そして、「よふかしにんじゃ」の正体とその行動の全容が明らかになります。
原題は『MIDNIGHT NINJA』、そう、外国人作家が描く忍者ストーリーなのです。
大胆なコラージュを駆使した絵は、確かに、日本人の感性とは一味違う忍者像です。
しかも、訳者は、長谷川義史さん。
関西弁の名手だけあって、後半のセリフ回しは絶品です。
もちろん、原題を「よふかしにんじゃ」と訳出したところに脱帽です。
ごくごく短いストーリーですが、読み手がいろいろ工夫できると思います。
ええ、もちろん、子どもたちも釘付けでしたよ。 (レイラさん 40代・ママ 男の子20歳、男の子18歳)
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