本には“行事むかしむかし六月(田植えのはなし)”と、シリーズ名が載っています。
シリーズはすべて赤坂三好さんが挿絵をつけてくれているようです。三好さんの銅版画(版画みたいな線の太い絵柄)が、この昔話シリーズにとっても雰囲気が合っていて読みやすかったです。
作者(再話者)の谷さんの後書きによると、このような『田植えをしてくれる』おじぞう様や神様の話は全国的にいろいろあるようです。
このお話の中では、おじぞう様がお坊さんの姿になって、たくさんのお坊さんが田植えをしていました。こんな姿を本当に目の当たりにしてみたら、びっくりしてしまいますよね。
このように土着的な昔話には、ユーモアに富んでいて楽しいシーンがたくさんあるんだなと、改めて思いました。
絵がはっきりしていて遠目が利くので、小学校2,3年生くらいから高学年、中学生などの読み聞かせにもお薦めします。
新緑の田植えの季節にいかがでしょうか。