日本では最近になって、低学年からも総合授業の一環として、「英語」に触れる授業(うちの子の学区では「ALT」と、呼んでいます)が始まるようになりました。
少し前までは日本の公立の小学校では高学年になって、中学で始まる英語の備えてローマ字を習うくらいで、「英語」がどんなものか触れずに育った子の方が多かったですよね。
さて、この作品に登場する《ことばメガネ》は、それぞれのメガネをかけると、そこから見えたものがそのメガネの国の言葉の形に見えてくるという優れものでした。
例えば、《えいごメガネ》をかけた主人公の竜二には、横断歩道がシマウマ(=ZEBRA CROSSING)に見えたり、
トンボがおっかない顔のドラゴン(=DRAGONFLY)に見えるわけです。
作者の作品紹介が表紙カバーの“ちり”の部分に載っていますが、
アーサー・ビナードさんならではの発想の、英語に触れることができる楽しい絵本になっています。
“言葉”というものに興味のあるお子さんなら、小学校の低学年くらいでも十分読めますが、
お薦めするなら小学校の4,5年生くらいから。
この絵本に触れることで、英語を含む外国語が、知らない文字で綴る知らない音ではなく、
その国その国に住む人々が、その土地の生活の中で『見えた形』からきているんだと感じることができると思います。
古川たくさんのイラストもとてもこの話に合っているので、英語が好きな子も苦手な子もぜひ読んでみてほしい作品です。