『シノダ!』シリーズの第5弾。『ムジナ探偵局』シリーズが7巻まで刊行されていますが、それに次ぐ刊行数のシリーズになりました。
『ムジナ探偵局』シリーズは、どちらかというと中学年向き。『シノダ!』シリーズは、高学年向きと分けることもできますが、『シノダ!』には、しっかりルビがふってあるので、『ムジナ探偵局』で謎解きに興味をもった子どもならば、『シノダ!』を読んでみると良いでしょう。
しかし、この『シノダ!時のかなたの人魚の島』は、今までとは異なりファンタジーというよりもミステリーと呼んだ方が良いでしょう。かなり力の入った作品です。
キツネのお母さんと人間のお父さんから産まれた、子どもたちの不思議な能力を使って問題を解決していく、これまではファンタジーに近い物語でしたが、『シノダ!時のかなたの人魚の島』では、子どもたちの能力よって解決していくのではなく、長女のユイが中心となって、自分たちのアタマで推理しながら、ある南の島に残る伝説の謎を解いていきます。本格ミステリーと言っても良いと思います。
ファンタジーからミステリーへ、子どもたちの選択の幅を広げてくれる1冊になるかもしれません。