かつて日本語の津波が、国際語の「TUNAMI」として認識されたスマトラ沖地震がありました。
当時、日本ではこんなことは起こらないだろうと、対岸の火事と思っていた時には、この生々しい写真絵本には無感動だったでしょう。
でも、今この絵本を目にすると、東日本大震災で思い出したくない、直視したくない現実に、客観的に向き合うことになりました。
写真の中に死体が写し出されています。
この地の人は、忘れないために、乗り越えるために、あえて写真にフィルターをかけないのでしょう。
長年続いていた、政府軍と独立派武装ゲリラとの内乱が終結したことを、不幸中の幸いと言い切ることはいけないことだとは思います。
多くの事実を包みこんで、スマトラ沖地震が語られています。
今、東日本大震災を経験し、乗り越えようとするときに、この写真絵本はとても意味を持つように思いました。