面白かったです。
実は似たような話は、ヨーロッパの各地に伝わっているようで、たまたま最近読んだ「こくま社の 子どもに語る グリムの昔話6」では、“おいぼれズルタン”という話で載っていました。こちらは結末がちょっと違っていて、「イヌ」は人間の友だち。オオカミは「獣」という解釈で作られているようです。
また、同じ内田理沙子さん邦訳の「ロシアの昔話」の中にも、似たような話“まぬけなおおかみ”というのが載ってました。
でも、2つとも人間有利な話になっていて、せっかくおおかみが犬を助けたのに……。と、ちょっと納得いかなかったんですよ〜。
この《セルコ》は、主人公のイヌとオオカミのやり取りが目茶目茶よかったです。
イヌは自分の立場ってものを大事にしながらも、オオカミとの友情も大切にしていて、見ていてとても納得できました。
最後の方でオオカミが酔っぱらって、歌っちゃうとこなんか、ウクライナ地方の朗らかな陽気さが伝わってくる感じですごくよかったです。
ワレンチン・ゴルディチュークさんの、この絵をほめていらっしゃるナビのメンバーの方がいました。
いや〜、もともとソ連政府御用達の似顔絵画家などもやっていらした方らしいので、絵自体はとてもうまいのですが、
私はこの犬の主人の脂ぎった人相がどうもいただけませんでした。
話自体はとっても面白いので、機会があったぜひ、手にとって読んでみてほしい作品です。
小学校の中学年くらいから、中学・高校生くらいの方にお薦めします。