レイチェルカーソンのセンス・オブ・ワンダーという本にときめき、自然に思いを馳せた少女時代を思い出しました。こんな風に育ったレイチェルだから、沈黙の春という世界に刺さる問題提起ができたのだということが、分かりやすく伝わる絵本です。
目まぐるしく変化する世の中で、私たちはその日を生きるために忙しく過ごしています。しかし、ときには地球の持つ長い時間の流れを感じ、そこに少なからず存在する命の連続性を、地上にいる生物の一個体として理解するひとときを得たいものだなぁと思うのです。
レイチェルの育ったような環境は正直身の回りでは得られませんが、都会の片隅で育まれるセンスオブワンダーはきっとある。庭にやってくる野鳥を愛でたり、公園の四季の移り変わりを観察したりして子供たちに伝えてきたい。大人の私も、そんな気持ちになるような一冊でした。