だいこん城では、だいこん姫が行方不明に。そこでかいわれ侍たちが捜索に出たが、姫の行方は杳として知れず。河川敷を捜索中に姫の着物を発見。曲者に姫が拉致されたと思った侍たちは、刀を抜いて大興奮。その結末は…
緑色が基調の、独自の感性が光る色使いが楽しい。野菜の世界なので、だいこん城といいつつ、家来が茄子やにんじん、たまねぎなどアブラナ科以外も協力的で平和だ。野菜同士で戦争はしないようだ。
肝心の護衛の侍がひょろひょろで小さい。食べるとぴりりと辛いかいわれ大根だけに、血気盛んで興奮し易いところは頼もしいが、長く伸びた茎がお互いにからまったりして、集団行動は不向きと見える。
だが、パックの中にいつも複数人一緒にまとまっている習性で、団体行動をしたがる。なかなか人生はうまくいかない。空回り、空振り、元気が有り余って余計なことも失敗も多い。元気溌剌だ。
意外な結末を是非とも実際にページをめくって体験して欲しい。それにしても姫がでかくて、大胆でびっくりだ。いい暮らしをしているとこういうふうな鷹揚な人物が出来上がる。平和な話で心がほっとする。