本を読んでいる間、あまり言葉を発しない5歳の息子が、このおじさんが「ひとりですんでいる」というくだりに来ると必ず「かわいそうだね」と言います。私は、ひそかに「いいなあ、気楽で……」と思っていたので意表をつかれました。子供にとっては、ひとりで住んでひとりで料理を作るという暮らしは「かわいそう」に映るのですね。いや、それが当然の感覚かもしれません。家族がいたら、ペットでもいたら、こんな物語にはならなかったでしょう。ひとりでごちそうを作って、洗い物をため続けるなんて、ありがちですね^^; わびしいひとりぐらし! この物語は底抜けにほがらかに描かれていますが、そのままほがらかに受け取るか、ブラックユーモアと見るか、複雑な感じです。