田んぼの真ん中に建つ実家は、父が設計した「ちいさいおうち」でした。
れんげ畑や緑の早稲に映える白壁、稲穂の向こうに見える寄棟屋根、父と母が育てた白いバラ・・・
四季おりおりの自然風景とともに、家族の思い出がいっぱい詰まった我が家。
でも、若くして父が亡くなり、3人姉妹それぞれが巣立った今、そこに住むのは母ひとり。
周りの田んぼは年々埋め立てられて資材置き場になり、新しい道ができて交通量が増えました。
もうすぐ近くに高速道路のインターチェンジもできるそうです。
まさに「ちいさいおうち」と同じ状態・・・
だけど、『ちいさいおうち』の結末は静かな希望に満ちています。
時を越えて変わらないものがある。
時を越えて伝わるものがある。
この絵本そのものもそうだ、と、歳をとった今改めて読んで思いました。
ps.私たちのおうちにも、明るい未来がありますように。