トルストイの「3びきのくま」しか読んだことがなかったので、
いろんな「3びきのくま」の絵本を読んでみることにしました。
こちらの絵本には、「ロシア民話より」と書かれていますので、
トルストイ原作のものを作者が翻案したもののようです。
大まかなストーリーは同じなのですが、微妙に違う部分もあり、
楽しみながら読ませてもらいました。
かぼちゃスープができたところで、お散歩に出掛ける3びきのくま。
その理由が「歩いた後の食事はうまい」というのには、ちょっと笑えます。
女の子が森で道に迷ったのは、お母さんに頼まれてグラタンに入れる
キノコを取りに来たため、という設定もおもしろいです。
くまの家に入った女の子がとる行動は、いつものパターン。
くまと女の子が顔を合わせるシーンでは、飛び起きた女の子がなんと、
3びきのくまにぴょこんと「お辞儀」をしてから逃げます(笑)
ちょっと日本のテイストが加わっていて、楽しいです。
もしかしたら、「スープをごちそうさま」と「イスを壊してごめんなさい」
の意味が込められていたのかも知れませんね。
ところで、このくまさんたち。おもてなしが好きなくまだったようで、
女の子が逃げてしまい、ちょっとがっかりしているところが、微笑ましかったです。
くまも怖いクマばかりじゃないんですね(笑)
イラストの色合いが4〜5色程度なので、とっても落ち着いたトーンで
読み進めることが出来ますし、ページによっては、熊というよりまるで
カワウソやテンのような描写もありますので、全く恐怖感はありません。
怖くない「3びきのくま」をお探しなら、本書を是非お薦めします。
いろんな「3びきのくま」のお話があるんだな〜と楽しませてもらいました。