「からすのパンやさん」では大騒ぎに間違って消防車が
出動するエピソードがありましたが・・・。
この「てんぷらやさん」では本当に火事でてんぷら屋さんが
焼けてしまい、後継ぎはけがをして奥さんは行方不明・・・
そんな衝撃的なところからお話が始まったので正直びっくりでした。
でもそこはいずみがもりのからすたち!みんなで協力して
すぐにお店も作り直し、みんなで秘伝の授業を受け、どんどん
お店を再建していきます。
このお話を読んでいる間、震災でさんまの加工工場が流されるも
社員や取引先の人たちやお客様に支えられて少しづつ工場を
再建していく「おかみのさんま」という話がオーバーラップしていました。
一人では絶望的ともいえる状況でも、たくさんの人たちが
少しづつ少しづつ手を差し伸べていくことで大きな災いを
乗り越えることが出来る・・・。
からすのパンやさんから40年経って震災を経験した私たちだからこそ
大切にしたい内容だと思いました。
なのであとがきのかこさとしさんの言葉は本当に胸にしみました。
からすのぱんやさんシリーズは子供の時はお話そのままを楽しめて、
大人になってあとがきの存在に気づいたときに、また深く深く話を
読み返し、理解することが出来る、そんな絵本です。