ヒド・ファン・ヘネヒテンは、ベルギーの絵本作家。
幼児・低学年向けの絵本を次々と執筆しており、世界的な人気絵本作家で、彼の本は世界30カ国以上で翻訳されているそうです。
彼の作品では、「ずっとママといっしょがいいの」が、印象に残っています。
物語は、小さい白いさかなが、おかあさんを捜すシーンから始まります。
何と言っても、背景が黒だということに度肝を抜かれます。
海中を黒で表現しているのですが、それが、意外にも、白のさかなとか、登場する色鮮やかな海の生物を際立たせていることに、効果絶大です。
このテイストの絵は、中々お目にかかれません。
小さな白いさかなが、出合った海の生物に
「あなたは ぼくの おかあさん?」
と尋ねると、違うと答えて、
必ず、「色も こんなに 〇〇よ」と言うのです。
形だけでなく、色の違いにも目を向けることが出来るので、学ぶことに繋がる絵本です。
おかあさんとの出会いでエンディングを迎えるのですが、実は、さかなは白ではなく、グラデーションがかった色合いだったことに気付き、一寸したサプライズでした。
良くありがちなストーリーでありますが、その色の使い方に卓越したものを感じます。
くっきりとした絵と色なので、小さいお子さんでも充分楽しめると思います。