『ハエをのみこんだおばあさん』のシムズ・タバックさんの、2000年コールデコット賞受賞作品です。
子どもの頃に歌ったイディッシュ(Yiddish=アシュケナージ系ユダヤ)語の「オーバーコートをもっていた(I had a little Overcoat)」という歌をベースに作った作品だそうです。
ヨセフの名前も、
ミュージカル「牛乳屋テヴィエ」のポスターも、
新聞の記事(バイオリン弾き屋根から落下)も、
ためになる名言も納得がいきました。
表紙絵のヨセフのコートの穴の空いているところが、触ってみると凹んでいて、子どもは始めから大喜び。
巻頭にもあるように、水彩絵の具・グワッシュ(ガッシュ)・色鉛筆・インク・コラージュと作者自身が楽しんで遊び心いっぱいに作られています。
お話は、一着のオーバーコートに穴が空き、継ぎ当てをしていましたが、すり切れてジャケットにリフォームを…。そのジャケットもすり切れて…。
「すごい!ここまで大切につかえるんだ。」と我が身を反省の息子と私。
ひと昔前の日本のお母さんも着物から雑巾まで、と大切に使っていましたね。
“たくさん持って、たくさん廃棄して”の使い捨ての時代が、リサイクル・リユース・リフォーム・リペアへと変わって(戻って)来ているこのご時世にピッタリな作品かもしれません。
とっても楽しく、隅々まで読みました。
切り抜き絵になっていたり、繰り返し文になっていますので、小さいお子さんもお話しながら楽しめると思います。